サイアノタイプとは

サイアノタイププリントはクエン酸鉄(III)アンモニウムとフェリシアン化カリウムという薬品を水で溶いたものを紙に塗布し、それにネガブィルムを重ねて紫外線で感光させる写真のプリント技法で、美しい青色のトーンが特徴で、青写真とも呼ばれている。

かつては建築機械設計図面の複写などに利用されていた。

将来のビジョンなどを示す際に青写真という言葉を用いるのはここから来ている。

自家プリントといえばまず思い浮かぶのは、銀塩モノクロプリントだろう。

銀塩モノクロプリントはサイアノタイプと比較すると階調の幅が広く、また印画紙の号数によるコントラストの調整、覆い焼きによる部分的な明暗の調整など、トーンの細かい調整が可能だ。一方サイアノプリントは階調の幅は極端に狭く、また撮影後にプリントワークによるコントラストの調整などは出来ない。

よって自家プリントといえば繊細なトーン作りに勝るモノクロ銀鉛プリントが定番だったが、近年はデジタルカメラの普及により、大手写真化学メーカーが銀鉛写真の感材や周辺機器の生産を中止、撤退をしてしまい、現在は現像に必要な薬品などを簡単には入手出来なくなってきている。

一方サイアノプリントは、引き伸ばし器や複雑な薬品も必要としない。気軽にプリントが楽しめるサイアノタイプは、今後貴重な写真感光材になるかもしれない。